管理栄養士のはるです。
料理に役立つ豆知識を紹介します♪
今回は、卵料理を失敗しないコツについてです!
卵は栄養も豊富で、調理方法もたくさんあり、料理には欠かせない食材です。
しかし、卵はデリケートなので失敗しやすい料理の代表でもあります。
炒り卵がボソボソになってしまったり、目玉焼きがフライパンにくっついてうまくはがれなかったりした経験はありませんか?
そんな失敗をしないために卵の特性を知って料理に役立ててみましょう。
また、卵の栄養や一緒に食べるといいオススメの食材も紹介しているので、ぜひご覧ください♪
食用の卵はニワトリ、うずら、あひる、ガチョウなど様々な種類がありますが、この記事では鶏卵について説明しています!
【この記事をオススメする方】
●炒り卵、目玉焼き、ゆで卵を失敗せずに作れるようになりたい方。
●卵の栄養について知りたい方。
●卵の調理特性を知りたい方。
卵の栄養について
卵はビタミンCと食物繊維以外のほとんどの栄養素が含まれていることから『完全栄養食品』と呼ばれています。
一方で卵の摂りすぎは体内にコレステロールがたまり、疾病リスクが高まるといわれていましたが、厚生労働省は日本人の食事摂取基準(2015年版)でこのリスクは裏付けがないとし摂取制限を撤廃しています。
卵のアミノ酸スコア
私たちの体をつくっているたんぱく質を構成している成分が20種類のアミノ酸です。
アミノ酸には体の中で必要十分な量を合成することができるアミノ酸(非必須アミノ酸)と、体の中で合成できないアミノ酸(必須アミノ酸)があります。
必須アミノ酸は9種類あり、食事から必要な量を摂らなければなりません。
アミノ酸スコアとは食品に含まれている必須アミノ酸が、その理想とされる量に比べてどれくらいの割合で入っているかを示したものです!
すべての必須アミノ酸が、必要とされる量を満たしている場合に、アミノ酸スコアは100になります。アミノ酸スコアが100に近いほど良質のタンパク質であり、卵はこのアミノ酸スコアが100の食品なのです。
ちなみにお米のアミノ酸スコアは65です。※₁
特にお米はリシン(リジン)と呼ばれる必須アミノ酸の量が少ないため、リシン(リジン)が多く含まれている卵と一緒に食べることでタンパク質を効率よく摂取できるごはんに早変わりです。
また、納豆も一緒に食べることで卵とお米に不足している食物繊維も摂ることができるので、卵かけ納豆ご飯は素晴らしい献立です。
納豆に卵を入れて混ぜ、ごはんにかけるだけで5分もかからずに作ることができるので、忙しい朝にもピッタリです。
ぜひ日々の食事に取り入れてみて下さい。
出典:※₁農林水産省Webサイトhttps://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_majime/content/health.html
卵の調理特性
熱凝固性
卵白は58℃から凝固が始まり、約80℃で硬く凝固します。
卵黄は65℃から凝固し始め、70℃でやや形を保持できる程度で75~80℃で凝固します。
卵の熱凝固性を利用したものにはゆで卵、卵焼き、茶碗蒸し、プリンなど様々な料理があります。
起泡性
水は泡立てても泡は残りませんが、卵白を泡立てるとしっかりとした泡ができます。
水は表面張力(表面をできるだけ小さくしようとする性質)が働き、空気を押し出して水どうしがくっつこうとするため泡立ちません。
一方で卵白のオボグロブリンというタンパク質が表面張力を下げる働きがあるので、かき混ぜても空気を混ぜ込んでも押し出されず、水と空気の境目がたくさんある泡立った状態にすることができます。
また、オボムチンというというタンパク質が泡を安定させてくれるため消えにくい泡となります。
この起泡性を利用したのがメレンゲでケーキのスポンジなどお菓子作りに用いられます。
乳化性
卵には水溶性と脂溶性の本来混ざりあわない性質を中立する働きがあり攪拌によって乳化します。
卵黄の乳化性はマヨネーズの製造に、卵白の乳化性はドレッシングの製造に利用されています。
卵料理のコツ
炒り卵
炒り卵は、一緒に混ぜる調味料によって仕上がりが変わります。
↑こちらの写真の炒り卵は、卵の重量や作り方は全く同じですが、混ぜた調味料のみが違います。
左側は卵2個と塩を2つまみ入れたもので、右側は卵2個と砂糖を小さじ2入れたものです。
左側の炒り卵はパラパラしているのに対し、右側はしっとりとまとまった状態になっています。
これは、砂糖の持つ保水性のおかげで、卵がよりやわらかでしっとりとした仕上がりになるからです。
したがって、しっとりとした炒り卵にしたい時は砂糖を加えましょう。
また、焼くときは菜箸ではなく、泡だて器で混ぜると簡単に細かく混ぜることができます。
↓炒り卵を使った三色丼のレシピをのせているので詳しい作り方はこちらの記事をご覧ください。
目玉焼き
目玉焼きを作る時は、フライパンに油を入れて十分に温めてから卵を入れましょう。
温まっていない状態で卵を入れるとフライパンにくっつきやすくなってしまいます。
ただし、強火で温めると温度が高くなりすぎて卵を入れた瞬間にすぐに焼けてしまい、黄身は生なのに白身は焦げてしまうという状態になります。
したがって、フライパンと油は弱火でじっくりと十分に温めてから卵を入れるようにしましょう。
それでもフライパンの種類によってはくっつく場合がありますので、テフロン加工がはがれたフライパンを使うときなどはベーコンやハムをしいてその上で卵を焼くのがオススメです。
そして、黄身に白い膜をはりたい場合は水を大さじ2~3ほど入れてフライパンにフタをして蒸し焼きにしましょう。
↓目玉焼きを使ったレシピ載せてます。よろしければご覧ください。
ゆで卵
ゆで卵作る時は卵がちょうどかくれるくらいの水と塩(小さじ1)またはお酢(大さじ1)を入れましょう。
タンパク質を凝固させる働きがあるので、割れ目から流れ出るのを防いでくれます。
そして茹でている時は卵を静かに転がすと黄身が真ん中にきます。
茹で終わったら冷水や氷水につけて殻をむきます。
殻を急激に冷やすことで、中身から出てきた水蒸気が冷やされて、殻と中身の間に水がたまり、殻と中身が収縮してズレるためむきやすくなります。
また、水の中だと殻がむきやすいです。
ところで、黄身が緑色っぽくなっているゆで卵を見たことはありませんか?
それは、ゆで卵は15分以上加熱を続けると、卵黄の表面が暗緑色に変化する性質があり、卵黄に含まれる遊離Fe²⁺と卵白から発生した硫化水素が結合して、硫化第一鉄ができやすいためです。
水から卵を入れて、沸騰後3分で黄身がとろりとした状態、沸騰後5~6分で半熟状態、沸騰後10~13分で固ゆで状態となります。
15分以上加熱はしないようにしましょう!
茶碗蒸し
卵を使った蒸し料理を作る時に温度が高すぎたり、加熱しすぎて表面や内部に細かい泡のような穴があいてしまった状態のことを「すが入る」、「すが立つ」と言います。
茶碗蒸しのように、卵とだし汁の水分が混ざった生地だと、卵のたんぱく質は約60度で固まり始めるので高温で急に熱すると卵はすぐに固まるのに対して、水分はすぐに固まらず沸騰して水蒸気になってしまします。
その水蒸気は卵の中で行き場を失い、それが隙間(す)となります。
「すを入れない」ためには卵だけ先に固まるのを防ぐために、低めの温度で蒸すのがポイントです!
↓加熱時間や蒸し器なしで作ることができる茶碗蒸しのレシピを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
↓さらに詳しく『すが入る』について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
卵の保存方法
スーパーでは卵が常温で売られていますが、その理由は結露を防ぐためです。
卵には気孔という目に見えない小さな穴が沢山あいているので卵の表面に水滴が付いてしまうと気孔から菌が中に入り込んでしまいます。
また、冷蔵庫で保存する場合は、ドアポケットには入れないことをオススメします。開け閉めするたびに卵が揺れて卵白がはやく薄まってしまいます。
まとめ
卵の栄養や特性を知ることで、これまでより卵料理に深みが出るようになるのではないでしょうか。
食材の正しい知識を持つことで料理をすることがもっと楽しく思ってもらえると幸いです♪
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例)口内炎の時におススメのレシピ 等
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他にも卵を使用したレシピ載せてます。
よろしければご覧ください♪
余った野菜活用レシピオムレツのオーブン焼きの作り方! – 管理栄養士はるの『簡単・本格レシピノート』 (kobanogohan.com)
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